音楽と僕
第十章 −解散から−


 POP+PUNK
これが僕らのもともとの概念だった。

メロディーラインはきれいに作る。
少しPUNKな感じのギター演奏。
POPな感じを全面的に出すベースライン。
いろいろなジャンルを取り混ぜたドラム。
これは曲を作る上での僕の決め事。

昔はギターの奴も曲を書いてくれた。
だけどドンドン書かなくなっていき僕の曲だらけになった。
そのことに対して僕は多かれ少なかれ不満はあった。
バンドがどんどん精力的に活動するために僕も頑張っていた。
リーダーとしての頑張りやベーシストとしての頑張り。
しかし問題は生じてくる。
温度差の違い、方向性の違い、音楽性の違い・・・

僕ももう嫌気がさしてきていたのは事実だった。
僕ばかり曲を書いて僕ばかり頑張っていつのまにか楽しくなくなっていった。
だけど辞める勇気もなかった。
そんなときにいきなりボーカルが脱退した。
新しい道を見つけたんだ。
そして僕らは数ヶ月後に新しいボーカルを入れて再始動した。
なんら変わりなくライブなど行なっていた。
だけど一度生まれた溝は大きくなるばかり。
その結果、ギターとドラム脱退。
ちょうどいい機会だと思い新しいギターとドラムを探した。
意外とすぐに見つかった。
ラッキーだと思いスタジオに入ってみた。
そこで僕はふと感じた。

 −あのメンバーだったからできたんだ。−

もうあのメンバーは戻らない。
そう思うとやる気がなくなってきた。
結局新しいメンバーが加わったもののリーダーの僕が続けたくなくなった。
解散だ。

もうバンドをやることはあったとしても今まで以上に燃えるバンドはできないだろう。
だけど僕はやっぱり音楽をなんかの形で続けたい。
今でも作曲はしているしベースだって弾いている。
多くのバンドを経験し多くのライブを経験した。
たくさんの曲を書いてたくさんの詩を書いた。
今まで出会ってきた人たちにはとてもお世話になりました。
バンドは解散しました。
だけど、僕はまだ音楽を捨てていません。
死ぬまで僕はバンドマンです。



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